「ミニチュア・シュナウザーのグルーミング」
〈ブラッシングについて〉
本来ダブルコートは下毛(アンダーコート)に換毛期があるため、毛が抜けやすいとされています。ところがミニチュア・シュナウザーは下毛の毛質が硬いため、抜けにくいのが特徴。かといって被毛の手入れが不要なわけではありません。放っておくと上毛が伸びるため、定期的なトリミングや皮膚を清潔に保つためのシャンプーが必要です。毛が伸びる速さは個体により異なりますが、1、2カ月に1度程度が平均的。
また細くて柔らかな毛質は、毛玉になりやすいのが欠点です。そのため1日に1回はブラッシングで絡んだ毛をほぐし、毛玉ができないように注意しましょう。従順なシュナウザーですが、ブラッシングが苦手な個体も多く、“ブラシ嫌い”にさせないためには、子犬の頃からブラッシングを習慣にしておくことが大切です。
油断大敵な毛玉は、一度できてしまうとほぐすのは大変。無理に引っ張ったりするとストレスや痛みを感じることで、ブラシ嫌いの要因となります。万が一毛玉をそのまま放置してしまうと、毛玉が生え際まで進んでしまい、皮膚がつれて傷になったり、皮膚病を引き起こす場合もあります。毛玉ができないよう、日ごろから注意しておきましょう。
ブラッシングのかけ方はこちらを参照してください。
〈爪切りについて〉
爪切りの目安は1~2カ月に1回。ミニチュア・シュナウザーの爪は黒いため、カットの目安となる血管がわかりづらい状態です。通常は肉球と爪が平行になるように先端部分を1~2mm程度切りますが、不安がある場合は無理をせず、動物病院で依頼するか、トリミングの際に行いましょう。
〈耳掃除について〉
ミニチュア・シュナウザーは耳毛が多い犬種と言われています。くわえて特徴のひとつである垂れ耳は蒸れやすく、多犬種と比べると耳の病気になるケースも多いようです。そのため耳掃除は必須で、2週間に1回を目安に行うのがおすすめ。耳掃除用の綿棒やガーゼなどを利用して行いましょう。また最近ではトリミングの際に耳毛を抜かないケースもあるようですが、頻繁に耳を掻いたり臭いがある場合は、耳毛も抜いてあげるのがよいでしょう。
〈トリミングについて〉
ミニチュア・シュナウザーらしさを演出するうえで、一番重要なのがトリミングです。耳毛の長さや口回りのフォルムはサロンやトリマーさんによっても異なり、最近ではベーシックなシュナウザースタイルより、顔周りはテディベア風やロン毛、おかっぱスタイル、ボディはモヒカンや“おパンツ風”、足元はブーツカットやサンバカットなど、個性的なスタイルが人気。サロンやトリマーさんによっては非常に予約が取りずらいため、予約は1カ月前を目安に入れておくのがおすすめ。地域や被毛の状態、個体の大きさによって異なりますが、料金設定はシャンプー&カットコースで¥6,000~¥10,000前後が主流です。
どんなスタイルにするかは、事前にトリミングスタイルの本や雑誌を参考にしてオーダーを。口回りを丸くしたい、耳毛は長さを揃えたい、手足の毛は短くしたいなど、担当のトリマーさんに希望をしっかり伝えることが大切です。もちろん、愛犬の被毛の長さや状態によっては、希望通りにいかない場合もあります。そんな時はしっかり状況を把握しておくと、次回からのオーダーにいかせます。
〇初めてのトリミング
体も心も未成熟な子犬にシャンプーやカットを行うことは、大きな負担となる場合があります。そのため多くのトリミングサロンでは、受け入れに「生後〇カ月以上」「ワクチン接種から〇週間後」といった基準を設けているところも少なくありません。個体差はありますが、一般的には「狂犬病ワクチン接種と混合ワクチン接種が終わって2週間以上経過」したタイミングが目安とされていますが、肌や被毛の状態が心配なら、トリミングの前に動物病院で相談してみるのもおすすめです。
〇カット方法
シザーリング/トリミングの技法のひとつで、ハサミで仕上げる方法。プードルやミニチュア・シュナウザーなど、トリミングが必要な犬種は、シザーリング犬種の呼び名で分類されています。
クリッピング/バリカンで仕上げる方法。
ストリッピング・プラッキング)/ストリッピングは頭や背中など、体の一部のコートを一度すべて抜き去ってしまう技法。美しい毛や独特のスタイルを作り、退色を防ぐとも言われています。プラッキングは短いコート(毛)を残し、長くなったコート(枯毛)を、トリミングナイフで少しずつ抜いていき、堅く美しい毛を作る技法。新陳代謝を促し、刺激によって肌を強くする利点がると言われています。
〈歯磨きについて〉
近年愛犬にも歯周病の症状が多く報告されています。そもそも歯周病とは、歯と歯茎の間の「歯周ポケット」に最近が入り込み、歯茎や骨に炎症が起こった状態を指します。悪化すると歯石の雑菌が血管内に入り、内臓にまで悪影響を及ぼすと言われています。最近では愛犬のデンタルケアも注目され、歯磨きを習慣にしている飼い主さんも少なくありません。それでも表面的な歯磨きではプラークに入り込んだ歯石は除去できず、気づいたら歯周病になっていたというケースは少なくありません。
毎日のケアには専用の歯ブラシや布製の歯磨きなど、愛犬に合わせて使いやすいものを選び、食後の歯磨きを習慣づけるようにしましょう。
歯周病のチェック方法/歯に歯石がついていなか、食べかすなどがこびりついて汚れていないか、歯がぐらぐらしていないか確認を。また歯茎が炎症して赤くなって腫れていたり、口臭がひどい場合などは、歯周病の可能性があります。
歯磨きの仕方についてはこちらを参照してください。
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